小松一彦氏

ご逝去

中央大学管弦楽団 音楽監督・名誉指揮者 の小松一彦氏は、病気療養中のところ、
3月30日2時53分永眠いたしました。(享年65)
ここに故人のご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます。

プロフィール

 桐朋学園大学指揮科卒業。斎藤秀雄氏に師事。NHK交響楽団指揮研究員、旧西独ライン・ドイツ歌劇揚副指揮者を経て、1978年N響を指揮し正式デビュー。チェコの名門プラハ交響楽団の常任客演指揮者を務める等、世界第一線で活躍した国際的指揮者。

 1994年のロシアでのデビュー以降、チェコやスロヴァキアなど東欧諸国へも継続的に客演。2001年には北欧にも活動の場を広げ、ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を指揮。2002年、ロシアのキーロフ歌劇場フィルハーモニー管弦楽団、2003年にはイスタンブール国立交響楽団、それぞれの日本ツアーの指揮をとった。

 2004年、世界最高のオーケストラの一つ、サンクトペテブルグ・フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会にデビュー。2005年6月、プラハ響と日本ツ アーを行うとともに、同オーケストラを指揮したCD「ドヴォルザーク:交響曲第9番<新世界より>・スメタナ:交響詩<モルダウ>」もリリースされた。 2006年、プラハ響定期演奏会にて<モーツァルト生誕250年記念プログラム>、サンクトペテルブルク・フィル定期演奏会で<ショスタコーヴィチ生誕 100年記念プログラム>をそれぞれ指揮し、絶賛された。

 2008年には、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を指揮して、ハンガリーにデビュー。

 現代作品・邦人作品の演奏に於いても第一人者として、芥川作曲賞など年間数多くの新作初演に取り組む一方、大正・昭和期の作品の復元・紹介、特に“夭折の 天才”といわれる貴志康一や須賀田磯太郎作品の監修・復元・CD化(ビクター/ナクソス)は日本洋楽史の欠落したページを埋める仕事として高い評価を受け ている。また、NHKテレビ「名曲アルバム」やテレビ朝日系「題名のない音楽会」の指揮者として、放送でも活躍。

 多忙な演奏活動の傍ら大阪芸術大学教授を務め、オーケストラやオペラ、後進の指導に情熱を傾けた。これまでイタリア放送協会賞、大阪府民劇場 奨励賞を、また2001年、現代音楽・邦人作品での長年の優れた業績に対し、第19回中島健蔵音楽賞を受賞した。著書に「実践的指揮法」(音楽之友社 刊)、エッセー集「小松一彦の音楽紀行」等がある。 


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